不妊治療を考えたら、まずはAMHを測りましょう。
AMHは不妊治療において、とても重要な検査です。
採血で卵巣予備能(卵子がどれくらい残っているのか)をみるものです。
卵子の「量」については
でも触れましたが、卵巣予備能を評価する検査は他にもいくつかあります。
しかし、精度が低かったり、測定方法が難しかったりします。
AMHは
①採血のみでわかる
②採血時期はいつでもよい
③卵子の数とよく相関するといいことずくめです。
デメリットとしては
卵子の「質」は反映しないという欠点はありますが
そもそも卵子の「質」を明確に反映する検査は現在ありません。
*卵子の「質」と明確に関連するのは年齢です。
加齢に伴い卵子は老化し、「質」が低下していきます。
下記の表が実際のAMHの中央値を示したものです。
JISART多施設様の共同研究での値です。(Beckman Coulter社様より提供。)
年齢に比例して中央値が下がっているのがわかります。
AMHは値が低い場合は、同世代の方と比較して卵子の在庫が少ないです。
早めのステップアップを勧めます。
他にも、若い方の生理不順の鑑別に有効だったり
・早発閉経(AMHが低い )
・多嚢胞性卵巣症候群(AMHが高い)
体外受精の誘発方法や投与薬剤の量を決める時にも参考にします。
これから不妊治療を開始しようと考えている方や治療のステップアップを考えている方には、ぜひ行っていただきたいです。
2024年6月1日から一般不妊の患者様も保険適応で6月に1回行えるようになりました。
下記の記事も参照ください
院長 菊池 卓
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静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。