男性も高齢になると精子能力が低下する。

女性の卵巣は約50.5歳で閉経を迎え、その役割を終えます。

それに対して、男性の精巣はいわゆる去勢状態になる事はなく、生涯精子を作り続けます。
では、男性の精巣や精子の能力はいつまでも変わらないのでしょうか?
 
それを調べたのが下記の論文です。
 
16.5〜72.3歳の男性5081人を対象とし4822人に精液検査を行い、259人にFISH法で染色体検査も行いました。
精液検査は精子運動解析装置(CASA)および技師による目視での検査の両方を行っております。
結果です。
 
*total sperm 総精子数 total motile 総運動精子数 Nomal morphology 精子正常形態率 :高いほど良い。
38歳を過ぎると明らかな総精子数の減少を認め、40歳を過ぎると加えて運動率の減少も認めております。
 
男性は高齢になっても精子は存在するため、いつでも妊娠させれると考えていられる方もいるかもしれません。
不妊治療においては、女性の年齢ばかりが取り上げられることが多いです。
しかし、精巣の大きさも少しずつ小さくなり、男性ホルモンも低下し、前述のように精子も減っていきます。
 
男性も老化とは無関係ではありません。
男性が高齢の場合も早めの検査および治療を勧めます。
 
院長  菊池 卓
 
 
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