分割胚(初期胚) vs 胚盤胞 ~どちらで凍結するのがいいのか~
採卵をする前にご夫婦で
決めてきて欲しいことがあります。
その中の1つが
・分割胚(採卵後2~3日目)
・胚盤胞(採卵後5~6日目)
どちらのステージ、もしくは両方で凍結させるかです。
胚(受精卵は)下記のイラストのように
卵管内を5~6日かけて分割胚→胚盤胞に育ち
子宮内に着床します。
選択肢としては
・分割胚のみ
・分割胚(1~2個)+胚盤胞(残り全て)
・胚盤胞のみ
から選んでいただくことになります。
当院の基本的な方針は
たくさん卵子が採れる方は
・全て胚盤胞ないし
・1つだけ分割胚で残りは全て胚盤胞
卵子があまり採れない方は
・まずは分割胚を凍結で余力があれば胚盤胞
にしております。
そして移植をする順番としては
胚盤胞からおこなっております。
なぜなら胚盤胞の方が妊娠率が高いからです。
下記は日本産科婦人科学会が
取りまとめて下さっている
2017年度の日本のdataからの引用です。
紫と赤が胚盤胞
青と緑が初期胚です。
胚盤胞の方が全年齢において妊娠率が高く
特に凍結胚盤胞は10~20%程度
妊娠率が高くなっています。
35歳の方ですと
・凍結胚盤胞で45%
・新鮮胚盤胞で35%
・分割胚は凍結、新鮮ともに30%弱です。
では、分割胚は胚盤胞の劣化品なのでしょうか
胚盤胞まで育たなければ、移植をする意味はないのでしょうか
それは違います。
次のブログで説明します。
分割(初期)胚にも良さがある。
院長 菊池 卓
—–
静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。