精子力を高めるためにできること
不妊施設で精液検査をすると
約半分の男性が
精子の数や運動率が低下しているとする
報告があります。
精索静脈瘤などの明らかな異常があれば
手術で改善が見込めるのですが
いわゆる原因不明であることも
多いです。
そんなときにどうするか
少しでも精液所見をよくすることで
自然妊娠の確率を上げたいですし
体外受精をするにしても
精液所見がいいに越したことはありません。
精子の質は流産にも関係します。
多くの著名な先生が
様々な精子力を高める方法を言われていますが
菊池レディースクリニックでの
精子力を高める方法をご紹介させていただきます。
①禁煙
とても重要です。
血管を傷つけて精巣への血流を悪くします。
②2-3日おきの射精
採卵や人工授精の時に禁欲期間を聞くのですが
1週間以上出していない方もわりとおられます。
精子は卵子と違い、毎日産生されています。
そのため、ずっと出さないでいると
古い精子が貯まってしまい質が劣化します。
男性の方は実際に触ってもらえるとわかるのですが
玉の上の方にぷにっとしたものが触れます。
そこが精巣上体とよばれる
精子の貯蔵庫です。
定期的に射精して精巣上体に
新鮮な精子が満たされるようにしましょう。
また、精巣も射精して刺激を与える方が
より精子の産生能力があがります。
③精巣をあたためない
健康な精巣の正常な温度は
34-35℃程度です。
体温は36-37℃ですが
この2℃の違いが
精子を悪くします。
具体的には
・ピタッとしたパンツをはかない
・太らない
・長時間のデスクワークを避ける
いずれも精巣が太ももにくっつくので
体温の影響を受けて温度が上がります。
精巣がぶらぶらしていて
体から離れているのはこのためです。
・サウナなども止めましょう
この3つをいつもお勧めしております。
他にも毛髪剤や抗うつ薬などで悪くなることも
ありますので問診を記載していただいております。
次はこうした取り組みを行うと
どれくらい成績所見が改善するかが
学会で報告されておりましたの
ご紹介させていただきます。
院長 菊池 卓
—–
静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。