生活習慣の改善は精子をよくする
続きです。前回の記事は下記を
精子力を高めるためにできること
今回のWeb学会で
千葉大学の
小宮 顕先生のご発表です。
いわゆる原因不明の
精子の数や運動率が少ない方に
生活習慣の改善で改善するのかが
主な趣旨です。
まず言われていたのが
生活が乱れているかたは
精液所見が悪くなるでした。
・タバコ(本数が増えるほど悪い)
・アルコール(1日ビール500mL以上)
この2つは精子のDNA損傷をきたし
不妊症や流産を増やします。
また精子所見が悪い方は
生活習慣病を持っている方が多く
高血圧や高脂血症などが
1つ以上併存する方は
21.7%以上にのぼります。
そこで精液所見の悪い370名の方に
・生活習慣の改善(禁煙が大事)
・体重のコントロール
(ジムに入会するなど運動をする)
・ピタッとしたパンツをはかないなどの
精子に良いことをされました。
結果としては
乏精子症(精子が少ない)の割合
51%→36%に改善
精子無力症(運動率が少ない)の割合
75%→52%に改善
乏精子無力症(精子が少なくて運動率が低い)
40%→23%
と有意に精液所見の改善を認めています。
『体にいい生活をしてください』
伝えることは簡単ですが
行うことが難しいことはわかっているつもりです。
私も禁煙するのに何回も挫折しましたし
ついつい食べ過ぎてしまう日もあります。
ただ生まれてくる子どものためにも
父親は元気に長生きしなければなりませんし
これを良い機会として
生活習慣を見直してみませんか
治療を頑張っている奥様のために
ぜひお願いいたします。
院長 菊池 卓
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静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。