無精子症について
今回は“無精子症”に関して
お伝えします。
無精子症は、2回以上精液検査を行い、
射出精液中に精子がいない状態をいいます。
男性の100人に1人の割合でみられるとされています。
同じ精子がいない状態でも、
2つに分けられます。
・閉塞性無精子症
・非閉塞性無精子症
閉塞性無精子症は
精巣内で精子は造られているものの、
精路に詰まりがある、
もしくは生まれつき精管が形成されていない
ことが原因となります。
治療は精路の繋ぎ直し(精路再建術)や
精巣上体から採取(MESA,PESA)したり
精細管の一部を採取する方法(c-TESE)があります。
閉塞性無精子症の方が
TESEを行った場合の回収率は
ほぼ100%とされています。
非閉塞性無精子症は
精子がわずかに造られている、
または全く造られていない状態です。
原因はY染色体上の欠失(AZFa,b,c,b+c)や
クラインフェルター症候群等の
染色体異常や抗がん剤などが挙げられます。
治療は顕微鏡下で精巣全体を見て、
精細管の一部を
採取する方法(MD-TESE)があります。
非閉塞性無精子症の場合、
精子の回収率は約30〜40%とされています。
また、AZF欠損の場合、
aまたはbが欠損しているの場合には
TESEを行っても精子を回収できない
と考えられています。
精液検査の結果、
無精子症と診断された場合には
精巣の診察、ホルモン検査、
遺伝子検査を行い、
当院の男性不妊専門外来を担当していただく
今井 伸医師のもと、聖隷浜松病院で
TESEを行うことができます。
培養室より
静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。