男性も高齢になると流産が増える。
母体年齢が上昇すると(特に35歳以上になると)流産の確率が上昇します。
では男性の年齢は流産に関係するのでしょうか?
少し古い報告ですが、母親の年齢と父親の年齢が流産に関係するかどうを調べた論文です。
ヨーロッパの国々で3174組の妊娠したカップルのその後の流産率を調べています。
それを父親と母親の年齢を下記のようにグループ分けしています。
父、母が共に20歳台の時が最も流産率が低くなり、そこを基準として1とします。
母の方が年齢が流産とより関係しやすいのですが、父の年齢も流産の上昇に関与していることがわかります。
著者らは母の年齢が35歳以上になると有意に上昇するが、父の年齢が40歳以上の時にさらにリスクが上昇すると結論しております。(オッズ比6.73)
*父が20代、母が35~44のグループのオッズ比が高いのは下記のようにグループ毎に症例数のばらつきがあり、症例が偏った可能性があります。(筆者らもこの研究のlimitations:限界として提示しています)
男性の年齢が上がるにつれて、流産率が上昇する事は、精子の質も下がってくることを意味しています。
流産は非常に悲しいものであり、できる限り避けたいです。
できるだけ早期の治療を勧めていきます。
院長 菊池 卓
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静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。