生理中の採血で何を見ているのか?②
続きです。
前回はLH、FSH、エストラジオールについて書きました。
今回は初回に測定すると良い項目です。
④プロラクチン(乳汁産生ホルモン)
基準値 30ng/mL以下。
プロラクチンが高くなると、LH、FSHの分泌障害を引き起こし、生理不順になります。
⑤遊離テストステロン(男性ホルモン)
女性にも男性ホルモンはありますし、また必要なものです。
しかし、高い場合は排卵しにくい体質であるPCOSが疑われます。
⑥プロゲステロン(黄体ホルモン)
生理中の基準値 1ng/mL以下。
排卵後に上昇しますが、月経中は1以下です。
卵巣予備能が低下し、生理が不規則になると出血があるけど『これは本当に生理なのか』と思うときもあるかと思います。
その時に参考として測定してもよいかと思います。
*AFC(胞状卵胞数 超音波で評価)について
採血ではないのですが、AMH、FSHと共に卵巣予備能の評価をするものです。
生理3日目頃に行い、超音波で卵巣に2~8mmの小さな卵胞がいくつ見えるか数えます。
卵巣予備能が低下すると数が少なくなります。
AFCは卵巣刺激の方針決定に有用ですので、特に採卵の周期にはぜひ行いたい検査です。
生理中の内診、超音波は患者さんにとって気分の良いものではないと思います。
しかし、遺残卵胞の有無やAFC測定のためにぜひ行わせていただきたいです。
私どものことは気にしないでください。
慣れておりますし、内診台の洗浄もスムーズにできるようにしております。
以上です。
生理中の採血は治療方針の決定に非常に有用なものです。
患者さんのその周期に合せたベストな方法を提案していきますので、ぜひ数値の意味を理解いただけると嬉しいです。
院長 菊池 卓
—–
静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。