AMHが高すぎるのも良くない
卵子は新たに作られることは無く、
日々減っていきます。
ただ、その減り具合は個人差があり
現在の卵子の残り(卵巣予備能)をみるのが
AMH検査です。(採血でわかります)
上記の表の年齢別のAMHの中央値と比較して
卵巣の残りを判断していきます。
*基本的には年齢を重ねる毎に、AMHは下がります。
AMHが年齢に比して『かなり低い』場合には
卵子の残りが少ない可能性があるため、早い妊娠が望まれます。
では、AMHが『かなり高い』場合は、嬉しい事でしょうか
卵子の残りがたくさんあって良いことのように見えます。
実はあまり嬉しいことではなく
排卵がしにくく、OHSSになりやすい
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で有る可能性が高いです。
・タイミングや人工授精では、クロミッドなどが効きにくくなります。
AMHの値が高ければ高いほど、排卵しにくくなります。
・体外受精では、注射に対して卵巣が過敏に反応してしまい
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になる可能性が増えてしまいます。
OHSSはお腹が張ってとても苦しくなり、
時に入院に至るつらいものです。
3.36ng/mLを超えると、OHSSのriskがあがります。
*下記論文より
*他にもE2が3000ng/mL以上やAFC(胞状卵胞)が14個以上でも
OHSSの危険性があがります。
AMHの値がかなり高め、
加えて月経不順がある場合は
PCOSである可能性が高く
注意が必要です。
ただその場合も対処法はありますので、
しっかり対処していきます。
院長 菊池 卓
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静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。