慢性子宮内膜炎、子宮内細菌叢(フローラ)の検査・治療 ~抗生剤は適切な種類・量で~
妊娠率の低下の原因となる慢性子宮内膜炎は
善玉菌(デーデルライン桿菌)が減り
いわゆる雑菌が子宮内膜に
炎症を引き起こすことにより
生じると言われております。
雑菌の種類は沢山有るため
多くの雑菌に効く強めの抗生剤を
大量に長期間内服するというのが
推奨されておりました。
しかし、強い抗生剤の長期投与は
善玉菌も殺してしまうため
できるだけ避けなければなりません。
善玉菌だけがいる細菌叢(フローラ)が
着床に適した環境です。
下記がイメージです。
培養士さんにイラストを作成してもらいました。
田んぼのイメージです。
目指すのは善玉菌のみの状態です。
善玉菌が多いと
妊娠率が上昇します。
このときに大事なことは
しっかりと検査をすることです。
検査をして適切な治療を行い
善玉菌がいる環境を作ります。
大事なこととしては
抗生剤は妊娠率を上昇させる
魔法の薬ではありません。
なかなか妊娠されない方に
なんとなく強い抗生剤を
長期間出すことは
善玉菌を減らし
かえって体に悪いことを
していることになります。
厚生労働省からも
抗生剤の投与について
注意喚起が出ております。
当院ではしっかりと検査を行い
細菌の種類に応じた
必要最小限の投与量・種類で
適切な治療を行って行きます。
またよくご質問のある痛みについてですが
子宮内フローラ検査の痛みはほぼありません。
人工授精や胚移植で用いるカテーテルで
子宮の表面を洗って細菌を回収します。
胚移植が痛くない方は痛くないと思います。
2022年8月1日より先進医療として当院でも認可が下りました。
ご希望の方は院長にお伝えください。
子宮内環境を整えるラクトフェリンは下記を
子宮内フローラの日本の施設の報告は下記を
院長 菊池 卓
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静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。