体外受精の方の子宮内フローラ(細菌叢)は乱れている事が多い
子宮内フローラ(細菌叢)の乱れは
慢性子宮内膜炎の原因となるため
改善すると妊娠率が向上するという
報告が多くあります。
下記の図はその中で
有名な論文の結果を図示したものです。
Varinos社より許可を得て記載。
以前も記事にしました。
子宮内フローラとは
今回紹介するのは、
体外受精の方は
子宮内フローラの乱れが多いことを
報告されたものです。
日本での報告です。
・健常なボランティア 7人
・一般不妊の方 23人
・体外受精の方 79人
で腟および子宮内膜のフローラを調べています。
ラクトバシラス(善玉菌)90%以上を
良好としています。
結果ですが
子宮内膜のラクトバシラスが90%以上の割合は
85.7% vs 73.9% vs 38.0%
と体外受精の方の割合が低かったです。
体外受精をされている方の
62%が子宮内フローラが
乱れているという結果でした。
この原因については
明確にはわからないとしていますが
考えられる原因として
過去の治療歴
・抗生物質の頻回な投与や経腟検査
・人工授精の過去の履歴など
があげられるとしています。
子宮内フローラの検査は
薬剤を必要とせず
準備期間も必要としません。
胚移植をしてもなかなか妊娠されない方や
最近では人工授精がうまくいかない方への
検査を行うことも増えてきております。
興味がある方は
いつでもご相談下さい。
子宮内フローラのイメージについては
こちらを参照下さい。
慢性子宮内膜炎、子宮内フローラの当院の治療 ~抗生剤はピンポイントで~
次は日本での
子宮内フローラを改善したことにより
胚移植の成績が改善した報告です。
子宮内フローラが改善すると妊娠率が上がる ~日本での報告~
院長 菊池 卓
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静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。