不妊治療・体外受精で葉酸サプリはいつから開始?おすすめのサプリは?
『葉酸のサプリはいつから飲んだ方がいいですか』
とご質問を受けます。
葉酸には胎児の神経管閉鎖障害を予防するため
妊娠を考えたら飲むことが推奨されます。
詳細は以前の記事を参照ください。
ただ、近年は葉酸が卵子や胚の質を改善する
可能性が示唆されるようになってきており
不妊治療・体外受精中も葉酸サプリを
推奨する意見が出てきております。
今回ご紹介する論文は
葉酸の摂取が増えると卵巣予備能が改善する
ことを報告しております。
対象は2007~2019年にEARTH研究に参加した552人の女性。
平均年齢35.0歳、葉酸摂取量中央値1,005㎍/日。
葉酸摂取量とAFC(胞状卵胞数)の関連性を推測。
※AFCは卵巣に見える小さな卵胞の元になるものです。
下記の図を参照ください。
生理3日目に超音波で測定しておりますが
AMHと並び、卵巣の予備能の評価に有用です。
AFCの数が多いほど卵巣予備能が良いです。
今回の研究では
AMHは2013年から測定を開始したため
評価項目には加えておりません。
結果です。
全体では1200mgまで
サプリでは800mgまで
葉酸の摂取量の増加はAFCの数と正の線形関係がありました。
ただ、それ以上は葉酸の摂取量を増やしても
効果はありませんでした。
食事からの摂取量も関係ありませんでした。
筆者らは他に以前の研究で
卵巣予備能低下の1つの症状である/p>
生理周期が短くなることが
葉酸の摂取で改善されたことや
食品からの摂取は吸収効率が悪いため
サプリメントでの摂取が良いことを報告しております。
私の意見です。
葉酸の摂取量の低下は
・細胞分裂の低下
・酸化ストレスの増加
・アポトーシスの増加
などを引き起こし
卵巣予備能の低下を引き起こす可能性があります。
サプリを飲むだけでいいので
補充は簡単です。
私のおすすめサプリは
Asahiのディアナチュラです。
60日分で600円弱。1日10円。
葉酸(B9)はビタミンB6とB12と
チームで働きますが全部入ってます。
どこでも買えますし、お勧めです。
葉酸サプリは妊娠した後も
妊活中にも必要だと考えます。
積極的に摂取しましょう。
院長 菊池 卓
静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。