DHEA、メラトニンの注意点 ~胚移植の前には念のため中止にしましょう~
採卵周期の患者様に
DHEA、メラトニンを
内服していただくことが増えてきました。
DHEAについてはこちら卵が育ちにくい方、少ない方へ
メラトニンについてはこちら受精率が低い方へ メラトニン
この2つのサプリメントについて
改めて注意点を説明させていただきます。
DHEAの注意点です。
・肌に吹き出物が出る可能性があります。
・胚移植には良いとする論文と悪いとする論文が
両方あるため、念のため中止にしましょう。
DHEAが着床障害を引き起こす可能性の論文(マウスで)
DHEAが着床を促進する可能性の論文
1錠から開始してください。
採血で濃度を見ながら
投与することも可能です。
DHEAの採血はいつでも行えますので
お気軽にご相談ください。
メラトニンの注意点です。
・眠くなります。(元々時差ぼけ解消の薬です)
ですので内服は絶対に夜にしてください。
・胚移植に悪い可能性で働く可能性もあるため、
念のため中止にしましょう。
下記が根拠です。
メラトニンが胚移植に悪いとする論文も
良いという論文も
私の知る限りありません。
ただ、メラトニンは抗酸化(老化を防ぐ)作用があります。
移植の際には内膜が老化する必要があるため、
飲まない方が無難です。
同じように抗酸化作用のあるレスベラトロールで
胚移植の成績が悪くなることは報告されているため
メラトニンでも念のため中止としております。
採卵において
特に高齢や卵巣予備能が低下した患者様に
DHEA、メラトニンは有用です。
ただ、胚移植に関しては
念のため中止にしましょう。
院長 菊池 卓
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静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。