鉄のサプリはなぜ飲むの?保険適応の鉄剤では駄目ですか
保険適応の鉄剤
フェロミア、フェログラデュメットなどを飲んで
気持ち悪くなったことはありませんか?
貧血の方に
鉄剤を良く処方しているのですが
患者様より気持ち悪いですと
言われることが多いです。
そうした方にはサプリで飲むことをお勧めしています。
サプリの方が気持ち悪くなりにくく
克つ吸収率もいいです。
この理由としましては
・保険適応の薬剤は非ヘム鉄
・サプリはヘム鉄だからです。
非ヘム鉄=鉄分がむきだし(植物由来)
ヘム鉄=鉄分にタンパク質がくっついている(動物由来)
ヘム鉄のほうがタンパク質とくっついているため
刺激が少なく、吸収率もいいです。
なんとなく植物由来のほうが体に優しそうですが
そうではありません。
鉄剤はお茶と飲むと吸収率を下げますが
ヘム鉄はそんなことを気にする必要もありません。
サプリのことを知らなかった総合病院時代は
鉄剤で気持ち悪くなる患者様をどうするかは
悩みのたねでした。
わりと頻度も多いのです。
対策として
①子ども用のシロップ(インクレミンシロップ)にする
*シロップだと飲める方は多いです。
②鉄分の多い食事にする
③鉄剤を注射にする
などをしていたのですが
①、②、③共に欠点がありました。
①のシロップはこども用なので量が足りない
②の食事はこちらも量が足りない
ヘム鉄は動物由来ですので、
鳥や豚のレバーがいいのですが
女性の方でレバーが好きな方はあまりいません。
鉄分で有名なほうれん草も
非ヘム鉄なので吸収は悪いです。
③は注射は痛いかつ通院が大変
また鉄剤は過剰になると肝臓に沈着してしまい、
肝臓に対して悪さをします。
*内服ですと便で排出されますので過剰になりません。
費用面からは保険のほうが安いので
最初は保険適応の鉄剤から処方しますが
もし気持ち悪くなるようでしたらサプリを
処方していきます。
サプリメント会社の納入価格が安くなりましたので
価格を下げました。
ご希望の時にお伝えください。
院長 菊池 卓
—–
静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。