妊娠判定日後の継続率は年齢とhCGの値で変わります。
続きです。前回の記事は下記を
胚移植後の妊娠判定は何を見ているの?~4週0日(BT9)として~
こちらの論文は
加藤レディースクリニック様の論文です。
年齢別にhCGの値での継続率の差を
出しております。
判定日を妊娠3週5日に
しておりますので
前回の記事よりも
全体的に数字が低めです。
余談になりますが
hCGが増える場合は
・48時間毎に倍増
減る場合は
・30~36時間毎に半減
します。
判定日の決め方も
あくまで私の印象ですが
自然周期クリニックは
3週5日
刺激クリニックは
4週0日
にすることが多い印象です。
胚盤胞移植は2週5日に行うため
3週5日を判定日にすると
同じ曜日になるため
患者様の都合が良くなることも
多いのですが
微妙な判定で悩むことも多いので
当院では4週0日としています。
本題に入ります。
年齢を
・A 21~34歳
・B 35~39歳
・C 40~44歳
の3群に分けて
hCGごとの妊娠予後を
表しております。
①こちらは
赤ちゃんの袋が見える確率です。
⋆臨床妊娠率といいます。
基本的にhCGの値が高いほど良いです。
3週5日で50mIU/mlを超えると
全年齢で90%以上の確率で
赤ちゃんの袋が見える「臨床妊娠」になります。
②こちらは
生児を分娩する確率です。
こちらもhCGの値が高いほど良いです。
50~59.9mIU/mlですと
21~34歳で84.8%
35~39歳で75.7%
40~44歳で58.1%の確率で
生児を分娩されています。
①、②共に
年齢の影響を受けますが
特に②の生児分娩率は
強い影響を受けます。
どうしても年齢が上がるにつれ
流産率が高くなるため
その分出産する確率は
低くなってしますと考えて下さい。
次は判定日の
hCGが低い場合についての
対応をご説明します。
妊娠判定日のhCGが低いときは再判定を行います。
院長 菊池 卓
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静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。