PGT-AのA判定≒正常胚を移植したけれど、妊娠されない時は?
A判定の胚を移植しても
・妊娠されなかったもしくは
・流産してしまった
その場合次はどうしたらよいか
非常に悩んでしまうと思います。
今回ご紹介する論文は
A判定の胚を連続で3回胚移植した場合の
累積の出産率を報告しています。
対象はA胚を移植した4429名。B胚は移植しておりません。
B胚の詳細についてはこちらを。
※通水ないし子宮鏡検査で子宮奇形の方を除外しています。
移植方法は全てホルモン補充です。
結果です。
3回の胚移植の累積の出産率は92.6%でした。
初回64.8%、2回目54.4%、3回目54.1%
流産率は初回も2、3回目も有意差ありませんでした。
筆者らは
反復着床不全の原因は
胚であることを強調しており
着床不全の方の解決策としてA胚の移植を推奨しています。
また、初回と2回目の移植で有意差については
複数の胚がある場合、通常形態の良いほうから
移植をしていくため
その差が出産率に反映したのではと述べています。
私の考えです。
A胚を移植したのにうまくいかなかった。
非常につらいことです。
ただ、それで今後もうまくいかないわけではありません。
他の論文にも同様のdataがありますが
少なくとも50%の出産率があります。
次もうまくいかないかもという恐怖は強いと思います。
その時の心の支えになるではと思い
今回の論文をご紹介しました。
気になることがありましたらいつでもご相談ください。
院長 菊池 卓
静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。