妊娠率を上げるために~紫外線はどれくらいビタミンDを増やすのか~
ビタミンD不足を改善すると、妊娠率も改善するという記事を書きました。
詳細は下記を
不妊治療のビタミンD での治療~サプリはいつ飲む?摂取量は?いつまで?~
ビタミンD不足の解消方法の1つに
紫外線を浴びる(日光浴)があります。
ただ、それくらい浴びれば良いのかはわかりにくく
季節や住居の緯度、人種などでも変わってしまいます。
今回ご紹介する論文は
日本人におけるビタミンD(25-OHD)の血中濃度と紫外線との関係を調べています。
対象は北海道の農村と熊本県の都市部の20~60代の男女107名。
夏と冬に調査。
結果です。
ビタミンD不足/欠乏の割合は全体で
夏は47.7%、冬は82.2%でした。
性別で分けると
男性は夏28.3% 冬は77.4%
女性は夏66.7% 冬は87%がビタミンDが不足しておりました。
都市部(熊本)の方が不足な方が多かったです。
紫外線を浴びる時間は夏にはビタミンD濃度と有意に相関し
10分浴びる時間を増やすと0.47ng/ML増加しました。(冬は0.41ng/mL増加)
私の意見です。
ビタミンD不足の女性は本当に多いと感じています。
特に今のような冬で静岡市のような都市部は。
ビタミンDを改善させるために
主にサプリでの治療を行っているのですが
紫外線も利用できないかと期待しておりました。
ただ、この論文結果から急いであげたい患者様には
紫外線だけでは厳しいかなと思います。
目標とする30ng/ML以上まで
10以上足りない患者様も多く
その場合は3時間紫外線を浴びても足りません。
室内で働く患者様が3時間の日光浴の時間を
確保することは難しいかと思います。
※ただ、これも季節と地域時間で変わります。
こちらの国立環境研究所のHPも参照ください。
※紫外線の浴びすぎも皮膚に悪いので注意してください。
やはりサプリの増量が早いかと思います。
サプリの増量も血中濃度を見ながら行えば
そうそう取りすぎにはなりません。
できるだけ早く妊娠していただくために
積極的にサプリを飲んでいきましょう。
日光浴は無理のない範囲で併用していくのが良いと思います。
院長 菊池 卓
静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。