エストラーナテープのかぶれ対策。剝がれ対策も。

 

エストラーナテープは貼り薬タイプのホルモン剤です。

成分は皮膚から吸収され、全身に作用します。

移植周期(時に採卵周期でも)によく使用しますが

テープかぶれに悩まされます。

 

特にホルモン補充周期の胚移植では

投与期間が1~2ヶ月になるため

『テープがつらいのですが、いつ終わりますか?』と患者様によく聞かれます。

 

テープかぶれを予防し、薬の吸収を良くするための工夫です。

5つあります。

※画像はピュアバリア販売元のGRANMATE社より提供

 

まず前提となるテープを貼る位置ですが

下腹部か臀部(お尻)です。

※胸部や背部(背中)に貼ってはいけません。

 

 

①テープを開始する1週間程前から肌の保湿を開始。

 

特に冬は乾燥して肌荒れがひどくなります。

肌荒れがひどいと薬の吸収が悪くなり、かぶれが起きやすくなります。

しっかりと保湿しましょう。

 

保湿剤は市販のもので構いませんが

私のお勧めは『NIVEA スキンミルク さっぱり』です。

少なくとも1日2回(起床時、入浴後)は塗布しましょう。

しっかりと保湿できればどれでもいいのですが

軟膏タイプのべとっとしたものは

テープが張りにくくなりますので避けましょう。

 

②テープを張る前に貼る予定の場所にピュアバリアを塗布。

 

 

※画像はGRANMATE社より提供

 

かぶれが起きる原因ですが

テープをはがすときに皮膚の一部がはがれて損傷するためです。

ピュアバリアで皮膚の上に膜を作り、その上にテープを貼ることで皮膚の損傷を防ぎます。

※薬効成分はしっかり浸透しますので安心してください。

※広めに塗ってください。(剥がれを防ぐテープも貼るため)

※30~40秒で乾いて皮膜ができるので、その後にテープを貼ってください。

ピュアバリアは当院でも購入できますし、通販でも購入できます。

 

③はがし方とその後の保湿

テープは2日に1回張り替えます。

お風呂のタイミングです。

 

※画像はGRANMATE社より提供

 

はがした後は肌に優しい洗剤で優しく手洗いしてください。

ゴシゴシこするのはかぶれの元ですので厳禁です。

 

汗がしっかりひいてから新しいテープは違う場所に貼ります。

はがした場所は別な日にまたテープを貼りますので

しっかりと保湿をしておいてください。

 

④ステロイド製剤の塗布

それでもかぶれる患者様にはステロイド製剤で対応します。

当院で処方可能ですが、あまりひどい場合は皮膚科にご相談ください。

 

⑤内服やジェル製剤などに変更

①~④の対策を行ってもどうしてもかぶれてしまう場合は

最終的には内服やジェル製剤に変更します。

自費の方は注射を併用する場合もあります。

 

その他に患者様からよく聞かれる質問として

剥がれた場合はどうするのか?

少しくらいは大丈夫ですが、半分剥がれたら新しいものに交換してください。

剥がれ防止のフィルムが市販されております。

Amazonや楽天などでも購入可能です。

 

エストラーナテープの上に貼るのですが、貼り方にコツがあります。

フィルムの販売元の公式youtubeを参照ください。

リンクはこちら

 

 

湯船に入ってもいいか?温泉やプールも大丈夫ですか?

剝がれなければ大丈夫です。

 

以上になります。

今後もより良いテープの貼り方を研究していきます。

 

院長 菊池 卓