G-CSFの効果 ~学会に参加しました~
先日行われた日本卵子学会学術集会に参加しました。
どの演題も興味深い発表でしたが、その中で当院でも使用しているG-CSFに関する発表を1つご紹介します。
2019年に高橋ウィメンズクリニック様が発表された胚盤胞移植時にG-CSF添加メディウムを使用することで臨床妊娠率と継続妊娠率が改善したという発表から、更にグレード別の効果を検討した発表です。
(着床障害を改善するために (G-CSF、GM-CSFについて) ~日本の報告~もご参考ください。)
30代の方を対象に胚盤胞を良好(AAのみ)、通常(Bを含む)、不良(Cを含む)の3つに分類しhCG陽性率、臨床妊娠率、生産率を通常の移植用メディウムと比較しています。
結果、不良胚盤胞では3つ全ての項目で、通常胚盤胞ではhCG陽性率、臨床妊娠率の2つの項目で通常のメディウムと比較して有意差をもって改善したことから、不良>通常>良好の順にG-CSFの使用が効果的とのことです。(良好胚盤胞でも有意差は無いもののG-CSFの方が良い結果が得られています。)
これまで、内膜が育ちにくい方、なかなか着床されない方を主な対象としていましたが、今回の発表を参考に胚盤胞のグレードが不良な方にも使用をすすめていきたいと思います。
培養部門より
静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニックの培養部です。培養部は、精子と卵子を扱っており、患者様の体に戻すその日まで受精卵を大切に育てております。受精卵のことで気になることがありましたら、いつでもご相談ください。