卵の成熟度とIVM
卵子には成熟度があり、GV期,MⅠ期,ⅯⅡ期の3つに分けられます。
採卵直後、成熟度と卵子の状態を確認しています。
それぞれの状態を説明していきます。
GV期…細胞質内に卵核胞(germinal vesicle:GV)という核をもつ状態
ⅯⅠ期…GV核が消え、細胞質と透明帯だけの状態
ⅯⅡ期…ⅯⅠに極体が出現した状態
ⅯⅡ期は成熟卵とされ受精可能な状態であり、
この状態の卵子に体外受精や顕微授精を行います。
ⅯⅠ期とGV期は未熟卵とされ、この状態のままでは受精出来ません。
成熟卵になった場合に顕微授精を行います。
ⅯⅠ期の卵は採卵後、数時間でⅯⅡへ成熟する可能性が
あるため、数時間おきに様子を確認します。
GV期の卵の場合、MⅡ期に成熟するまで約1日必要となります。
また、その成熟率は低いため
当院ではGV卵に対し体外成熟培養(IVM)を行います。
IVMにより成熟率を高めることが期待されます。
IVMを行った胚の受精率や発生率は
通常の胚よりも低いとされる報告があるものの、出産された例もあり、
未熟卵のため培養終了とされていた卵を救える可能性があります。
培養室より
静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。