高濃度ヒアルロン酸含有胚移植用培養液は妊娠率と出産率を上昇させます。
日本生殖医学会様より
生殖医療ガイドラインの原案が公開されました。
興味のある方は>こちらを
その中でヒアルロン酸含有の胚移植用培養液が
成績を向上させると推奨されていましたので取り上げてみます。
ヒアルロン酸とは子宮内膜などに自然に存在している粘稠性物質です。
ノリのようにベタベタとくっつく性質を持っており
胚と子宮内膜との接着を助けていると考えられています。
エンブリオグルー、UTMなどが商品名です。
聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
上記の論文はヒアルロン酸含有の胚移植用培養液を調査した研究です。
対象は27~35歳の女性6704人を含む26件の論文。
・高濃度(0.5mg/mL)のヒアルロン酸と
・含まないもしくは低濃度(0.125mg/mL)のヒアルロン酸
で比較しております。
結果です。
高濃度のヒアルロン酸により出生率は増加することが示唆されました。
どれくらい増加するかですが
なしの場合を33%と仮定すると
ヒアルロン酸を追加した後の妊娠率は37~44%に増加すると
示唆されました。
私の思うヒアルロン酸培養液の良さですが
患者様に何かをしていただく必要がないことです。
胚移植の際にヒアルロン酸含有の胚移植用培養液に浸すのみです。
注射のように痛い思いをしたり、来院日が増えることもありません。
そのため当院では
ヒアルロン酸含有胚移植用培養液を推奨しております。
また、GM-CSFにも含まれておりますのでご安心ください。
院長 菊池 卓
静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。