卵胞を育てるお薬② レトロゾール(フェマーラ)

今回はレトロゾールのご紹介です。

フェマーラとも呼ばれたりします。

 

レトロゾール(フェマーラ)は

閉経後の乳がんを適応として

作られたお薬であり、

排卵誘発に使用することは

適用外使用となります。

そのため、自費になります。

 

適応外の自費と聞くと、

そんな薬飲みたくないという方もいるかと思います。

ただ、とても良い薬です。

 

クロミッドと同程度の

卵胞発育効果を持ちながら、

頚管粘液の減少や

子宮内膜が厚くなりにくいといった

影響はフェマーラには見られません。

 

また、半減期はクロミッドの5~14日に対して

レトロゾールは2~3日と短いため

・卵胞が1つになりやすい(双子になりにくい)

・FSHに対する反応が良くなる、

・血中E2値が生理的レベルに抑制され

着床率が改善する

などの利点が特長です。

特にPCOSでなかなか卵胞が育たない方に

有効です。

 

適用外使用は安全なのか、

気になるところかと思います。

 

2005年にレトロゾールによって

胎児に奇形を生じさせる作用があることを

疑わせる報告があったものの、

この報告は信頼性に乏しく、

危険性が明らかではないと指摘されています。

 

また、その後の報告でも

奇形発生率が高まるという

明らかな証拠はないと考えられており、

現在、排卵誘発剤として広く利用されています。

 

ところでフェマーラは

どうやって卵胞を育てているのでしょうか

 

まず、エストロゲンは

アンドロゲン(男性ホルモン)から

アロマターゼという酵素によって変換され

産生しています。

 

 

 

フェマーラはアロマターゼ阻害薬の一種です。

 

この作用によって、アロマターゼの働きを抑制することで

エストロゲンの産生を低下させます。

 

ここからはクロミフェンと同様に

エストロゲンのネガティブフィードバックを阻害して

脳はエストロゲンが少ないから、FSHをもっと出そう

とすることで、卵胞を発育しています。

 

クロミッドでうまく行かない方はぜひ試してみてください

体外受精での使い方は下記のブログを参照ください

レトロゾールの使い方 採卵と胚移植では

 

院長 菊池 卓

 

関連ブログ

卵胞を育てるお薬① クロミッド

 

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