卵胞を育てるお薬③ HMG/rFSH注射
HMG製剤にはフェリングなど
rFSH製剤にはゴナールエフなどがあり
これらは注射薬です。
クロミフェンやレトロゾールよりも
卵胞を育てる作用が強くなります。
共に飲み薬と併用することもでき、
体外受精の際には、
クロミッドとよく併用します。
HMGはヒト閉経後尿性性腺刺激ホルモン
と呼ばれるホルモンで、
閉経後の女性の尿を原料とし、
精製することでHMG製剤を作っています。
閉経後の女性の尿には
LH、FSHが多く含まれていることから
治療に用いられるようになりました。
尿と聞くと汚く感じるかもしれませんが、
しっかりと精製されており、
国の認可を受けて作られております。
安心してください。
排卵誘発剤として広く使用される薬ですが、
ごく稀にアレルギー反応として、
注射部位が腫れることがあります。
尿有来であることを嫌い
近年開発されたのが
rFSH製剤です。
この “r” はリコンビナント(遺伝子組み換え)を意味し、
rFSH製剤=遺伝子組み換え型FSH製剤となります。
rFSHは遺伝子組み換え技術によって
作られるため、
不純物を含まず、品質が一定で、
アレルギー反応を起こす可能性は低いことが特長です。
また、ペン型の注射器で自己注射が可能なため
注射のためだけに通院をする必要はありません。
インスリンの針と同じなため、痛みはほぼありません。
このように利点が多いものの、
r-FSH価格はHMGよりも高くなります。
HMG製剤の2倍以上の値段になります。
一番大事な効果の面では、
ほぼ同等と考えられます。
厳密に言えば、
高齢の方にはHMG製剤
若いPCOSに方にはr-FSH製剤が良いとされておりますが
多くの方にはどちらでも変わらないと言えます。
当院ではできるだけ費用面を抑えるため
また仕事との両立を図るため
HMG製剤の自己注射勧めております。
最初の注射はしっかり指導させていただきますし
注射だけの通院のかたもスムーズに出来るようにしております。
もし、難しいようでしたらr-FSHの注射を検討しましょう。
院長 菊池 卓
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静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。