妊活(不妊治療)中のお酒(アルコール)とカフェインについて
不妊治療中のアルコールとカフェイン
アルコール
先日患者様より『採卵周期にお酒を飲んでしまいました。』
どうしたらいいですかとご質問されたため
ご回答するために調べてみました
結論からいいますと
毎日大量の飲酒で無ければ問題ありません
とお答えしております。
ただそもそもの前提として
妊娠中のお酒(アルコール)は
胎児に悪影響を及ぼす可能性があるため
絶対に中止です。
また、アルコール自体が
健康に良くないため
あまり飲まない方がいいです。
ただ、アルコールは
気分を良くし
生活に潤いをくれます。
私も飲みますし、
時折飲みたくなる患者様も
多いのではないかと思います。
下記の論文は
アルコールとカフェインと体外受精に
ついて検討を行った論文です。
300名493周期を対象としています。
北米のデーターです。
治療前のアルコールの摂取量を
アンケートで集計しています。
平均アルコール摂取量は
5.6g/日でした。
参考までに
・ビール350ml 14g
・ワイングラス1杯 14g
程度です。
生児出産率は
アルコールの摂取量が
・非飲酒 34%
・0.1~6g/日 46%
・6.1~12g/日 41%
・12.1~24g 42 %
・24g超 41%
の結果で有意差は認められませんでした。
また下記の論文は食事と妊娠について
論文をまとめたレビューです。
アルコールについての抜粋
このレビューでは
以前まではアルコール接種は
妊娠に対して悪い影響を与えると
考えられていた。
実際にアルコールが
体外受精に悪いとする報告も
認めていると。
しかし、最近の研究では
中等度までのアルコール接種は
従来考えているよりも
妊娠に悪影響は与えないのではないかと
考えられるようになってきているとしています。
不妊治療をされている際に
アルコールを飲むことを
推奨しているわけではないのですが
飲みたくなるときもあると
思います。
また、つきあいもあると思います。
たまに飲むアルコールは
許容されると思います。
カフェイン
カフェインにつきましても
最近ご質問を受けることが増えました。
結論からいいますと
毎日マグカップ2杯までは問題ありません
とお答えしております。
ただそもそもの前提として
カフェインの過剰摂取は
健康被害をもたらしますので止めましょう。
詳細はこちらの厚生労働省のHPを
下記の論文は
アルコールとカフェインと体外受精に
ついて検討を行った論文です。
※冒頭のアルコールの論文と同じです。
300名493周期を対象としています。
北米のデーターです。
治療前のカフェインの摂取量を
アンケートで集計しています。
平均カフェイン摂取量は
103.8mg/日でした。
参考までに
・マグカップのコーヒー237mlで142mg
・紅茶はコーヒーの1/2
・煎茶やほうじ茶、ウーロン茶は1/3
程度です。
生児出産率は
カフェインの摂取量が
・50mg/日未満 46%
・50.1~100mg/日 44%
・100.1~200mg/日 42%
・200.1~300mg/日 40 %
・300mg/日以上 40%
の結果で有意差は認められませんでした。
カフェインもアルコールと同じで
摂取することを推奨しているわけではありませんが
取りたくなる時もあると思います。
付き合いもあると思いますので
マグカップ2杯までは問題ないと考えます。
院長 菊池 卓
—–
静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。