妊娠したらイノシトールは続けますか?
イノシトールの妊娠中の効果について
ご紹介します。
イノシトールは糖代謝を改善させる
働きがあります。
そのため、妊娠糖尿病に効果がありそうでしたが
実際に有用でした。
そもそも、妊娠糖尿病って何?という
方もいらっしゃるかと思います。
糖質(炭水化物)を食べると血糖値が上がりますが
血糖値が高くなり過ぎないように
インスリンというホルモンがでます。
妊娠すると胎児は自分が大きくなるため
お母さんの血糖値を上げようとします。
できれば甘いジュースを飲みたいからです。
お母さんは自分を守るために
インスリンを出すのですが
元々糖尿病気味で
インスリンを出す力が弱っていると
負けてしまい、そのまま血糖値が高い状態に
なってしまいます。
妊娠糖尿病になると
・巨大児(4kg以上で生まれることもあります)
・帝王切開率の増加
・赤ちゃんの呼吸の力が弱くなるなど
様々な悪いことがおきます。
妊娠糖尿病を減らすために
適度な運動や食事管理を
していただくのですが
それでもなる方はなります。
下記の論文はイノシトールが
・妊娠糖尿病
・切迫早産
を予防するという論文です。
5件のRCTを組み入れ
459名の方が対象です。
妊娠中の間毎日
イノシトール4gと葉酸400㎍を
内服しています。
(1つのRCTはカイロイノシトールも併用)
イノシトールはプラセボに比較して
・妊娠糖尿病を0.43倍に減少
・早産を0.36倍に減少
させています。
妊娠糖尿病はできるだけ避けたいです。
規則正しい食事と定期的な運動が
大事ではありますが
・PCOSの方や
・糖尿病の家族歴がある方は
イノシトールも検討してみてもいいかと思います。
院長 菊池 卓
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静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。