インフルエンザワクチン。妊活中だけど接種していい?
インフルエンザシーズンの開始です。
この時期になると外来で毎日尋ねられるのが、妊活中のインフルエンザのワクチンの接種は大丈夫ですかという質問です。
皆さん、それだけ心配なのだと思います。
結論から言いますと『全く問題ありません』。
産婦人科診療ガイドラインでも『妊婦へのインフルエンザワクチン接種はインフルエンザの重症か予防に最も有効であり、母胎および胎児への危険性は妊娠全期間を通じてきわめて低いと説明する。』としています。
米国疾病予防局および米国産婦人科学会も、インフルエンザ流行期間に妊娠予定の女性への不活化インフルエンザワクチン接種を推奨しています。
なぜかと言いますと、インフルエンザワクチンは不活化ワクチン(病原性を無くしたウイルスの一部を使用)のため影響がないからです。
一方で、MRワクチンなどは生ワクチン(病原性を弱めてはいますが、生きたウイルスを投与している)のため、2ヶ月の避妊は必要になってしまいます。
インフルエンザワクチンは接種後、効果出現には2~3週間を要し、その後3~4ヶ月の防御作用を有しますので、10月~11月に接種を受けるのが理想的とされます。
妊婦さんは、インフルエンザに罹患すると重篤な合併症を引き起こしやすいため、妊娠を希望されている方や現在妊娠されている方はぜひ積極的に接種してください。
院長 菊池 卓
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静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。