イノシトールはPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の方に有効です。タイミングの方へ
イノシトールの詳細については下記を参照下さい。
下記の論文はPCOSの方がイノシトールを内服すると
・空腹時血糖値及びインスリンの改善
・排卵率の上昇
することを認めた論文です。
10件のRCTをまとめています。
患者数は全てPCOSの方で601名。
合計362人の女性がイノシトール(ミオイノシトールで257人、ジカイロイノシトールで105人)、
対照群の179人がプラセボ、60人がメトホルミンでした。
ミオイノシトールとジカイロイノシトールの性能の差はありません
・排卵率が2.3倍改善
・月経不順が6.8倍改善
*PCOSの方は無月経になる方が多く、半年来ない方などもおられます。
しっかり排卵することにより月経=生理がくるようになっています。
・空腹時血糖及びインスリン値も有意に改善しております。
妊娠率及び流産率に対しては、対象が不十分であるため評価しておりません。
PCOSの方で人工授精を行う際にクロミッドやレトロゾールを内服しても
・卵胞が育たないもしくは
・強すぎて3個以上卵胞が発育して
キャンセルになってしまうこともしばしばあります。
体外受精でPCOSの方の卵胞を沢山育てることは難しくないです。
しかし、タイミングや人工授精で多胎防止のために1-2個に育てることは難しい時もあります。
ペンタイプの注射や内服薬を使用するのですが、なかなか苦戦することもありました。
そんな中難しいPCOSの患者様にイノシトールを開始したところ、予定通りに卵胞が育つことが出てきております。
PCOSでなかなか予定通りに排卵できない方は、ぜひイノシトールをご検討下さい。
院長 菊池 卓
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静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。