卵子が多い方は胚盤胞、少なめの方は分割(初期)胚で
続きです。
分割(初期)胚にも良さがある。
前回は分割胚の良さを書きました。
こちらはアメリカ生殖医学会の診療委員会報告です。
まとめますと
・良好な予後が期待できる患者において、胚盤胞移植は同様な数の分割期胚の移植を試みた例に比べ、高い生児出産率が得られている。
・複数の胚盤胞を移植することは高い多胎妊娠率をもたらすことになるので、単一胚盤胞移植を勧める。
・予後が不良と考えられる患者においては、胚盤胞移植は分割期胚移植と比較し生児出産率の上昇をもたらすことにはならない。
・胚盤胞移植を試みよう とした場合、時に胚盤胞までの発育が得られず、移植に用いる胚の数が減少あるいは全く得られない というリスクもある。
と報告しております。
分割胚と胚盤胞のどちらを
患者様に勧めるかは
ケースバイケースで
個別に相談していかなければなりません。
胚盤胞培養の気になる副作用としては
・双胎率の上昇、早産率の上昇などがありますが、
子宮外(異所性)妊娠は低下します。
ですので
当院の基本的な方針は
たくさん卵子が採れる方は
・全て胚盤胞ないし
・1つだけ分割胚で残りは全て胚盤胞)
卵子があまり採れない方は
・まずは分割胚を凍結で余力があれば胚盤胞
にしております。
正直迷うところもあるかと思います。
いつでもご相談ください。
悔いの無い選択をしていただきたいですし、
気になる点がありましたら
何点でもご質問下さい。
院長 菊池 卓
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静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。