SEET法とは?痛みや出血はあるのか?
前回の記事で2段階移植とSEET法について書きました。
着床不全への対策 ~SEET法、2段階移植~
SEET法はstimulation of endometrium-embryo transferの略語で子宮内膜刺激胚移植法ともいいます。
胚盤胞を凍結保存する際に培養液の一部(SEET液)も凍結保存。
胚盤胞移植の前にその培養液を子宮内に注入します。
融解胚移植の2~3日前にSEET液を子宮内に戻します。
(胚移植とまったく同じように行いますので痛みや出血はありません)
戻すのが胚盤胞なのかSEET液なのかの違いだけです。
下記はSEET法についての論文です。
反復不成功の女性48名を対象にSEET群とBT群(SEETなし)で比較をしました。
臨床妊娠率 87.0% VS 48.0%
着床率 71.9% VS 37.8%
とSEET法の法が有意に妊娠率が高かったです。
同様の論文が2009年にあり、こちらは初回の胚移植での検討を行っております。
こちらでも良好胚盤胞を移植する場合には、胚盤胞移植群と比較してSEET法の成績が高くなっています。
SEET法は自分自身の胚培養液を使うものであり、簡便で副作用もありません。
デメリットとしては、移植周期の受診回数が1回増えてしまうことぐらいです。
ただ、SEET法自体はすぐに終わりますし、SEET法当日も特に行動の制限はありません。
特に治療の時間が限られている高齢の方には、反復不成功の後にSEETを行うよりも、初回から積極的に取り入れるのが望ましいです。
SEETはいつでも行いますので、ご希望の際はいつでもお伝えください。
院長 菊池 卓
静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。