体外受精と顕微授精の違いって?

 

生殖補助医療における、受精方法には体外受精と顕微授精の2つがあります。

それぞれについて説明します。

 

体外受精(IVF)

デッシュにドロップを作り、そこに卵子を入れます。

調整した精子を卵子にふりかけることで自然に近いかたちで受精が行われます

 

顕微授精(ICSI)

顕微授精とは卵子に専用の針で精子を直接注入する受精方法です。

現在では卵細胞質内精子注入法が行われており、一般的にICSI(イクシー)と呼ばれます。

 

以下、どちらかに当てはまる方は顕微授精が有効であると考えられます。

 

①    精子の数が少ない(乏精子症)、 運動率が低い(精子無力症)

体外受精では10万/mL程の運動精子を必要としますが、

顕微授精では1個の卵子に1匹の精子で受精が可能になります。

また、顕微鏡下で精子の形態、運動性を確認し、

状態の良い精子を選んで顕微授精を行います。

 

 

②    体外受精では受精出来ない(受精障害)、受精率が低い

通常、精子が卵子の透明帯を通過し、細胞膜と融合することで受精が成立します。

しかし、その過程の中で精子と卵子が正常に機能しないと受精が出来ません。

これを受精障害といいます。

顕微授精の場合、精子を直接注入できるため、

受精障害が起こりうる過程をスキップして受精することが可能になります。

 

 

当院では①、②に当てはまる方に加え、

複数個採卵できた方には受精障害の可能性を考慮し

体外受精と顕微授精の両方(split:スプリット)をご提案する場合もあります。

患者様それぞれの背景やお気持ちに沿って受精方法を選択できます。

 

培養室より