痛くない子宮卵管造影目指して①
子宮卵管造影(以下HSGとします)をしましょうと伝えると、みなさん顔を曇らせて『痛くないですか』と心配されます。
2人目不妊の方で、子宮卵管造影だけは絶対にしないという方もいらっしゃいました。
痛みと恐怖は不快であるだけではなく、本来は通っている卵管に攣縮を引き起こし、詰まっていると間違った判断をされてしまうこともあります。
(詳細は卵管の検査にも種類がある?の記事をお読みください)
痛みを減らすこつは
①カテーテルを適切に入れること②注入する造影剤を必要最小限にする、できるだけゆっくりにすることです。
そのための工夫を、実際の手順と共に書いていきます。
①当日朝
動画を用いてしっかりと、手順を説明します。
理解していただくことでわからないことの不安と、それに伴う恐怖は減ります。
当日朝に、痛み止めの内服や座薬を行います。
②検査直前
カテーテルがうまく入らなくて子宮の入り口を鉗子で引っ張ったり、カテーテルを入れすぎて子宮の奥にあたると痛みが出ます。
それを防ぐために、検査直前に内診、超音波を行います。
医師がカテーテルを入れるイメージをしっかりと作るのは、非常に重要です。
③子宮内にチューブを固定
カテーテルを固定するために風船を膨らませて、少し引っ張って固定するのですが、この風船を膨らませる大きさも痛みに関わります。
大きすぎると激痛です。しかし、小さすぎても抜けてしまうので固定ができません。
患者さんの子宮の入り口を観察して、適切な大きさにする必要があります。
ぎりぎり抜けない大きさに膨らませます。
下記に続きます。
痛くない子宮卵管造影を目指して②
院長 菊池 卓
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静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。