レトロゾールでも卵胞が発育しない方へ ~レトロゾール+クロミッド~
前回記事ではPCOSの方に
レトロゾールをお勧めする記事を書きました。
https://ameblo.jp/bunbun2230/entry-12626436384.html
ただ、レトロゾールを内服しても
卵胞が発育されない方もおります。
そうした方には
FSH製剤を2-3日おきに院内注射したり、
r-FSH製剤を連日自己注射していましたが
やはり注射の敷居は高く、
できればなんとか内服にならないかと思っていました。
下記論文は
レトロゾールにクロミッドを加えることにより
排卵率が上昇するとの報告です。
18歳~40歳までのPCOSの方70名を
・レトロゾール 2.5mg(1錠)/日 5日間群と
・上記に加えてクロミッド 50mg(1錠)/日 5日間を内服した群
の排卵率を比較しています。
結果としては
77.1%(27/35) vs 42.9%(15/35)と
レトロゾール+クロミッド群が
有意に卵胞が育ちやすく
しっかり排卵してくれるとの結果でした。
副作用としては
頭痛やホットフラッシュなどがありますが
両群共に発生率は変わりませんでした。
まずは卵胞が育ってくれないと
タイミングや人工授精のスケジュールを
計画することができません。
レトロゾール、クロミッド共に飲み薬ですし、
1日1錠で大きな副作用もありません。
注射をするよりもずっと苦痛が少ないです。
レトロゾールのみでは育たない方には
クロミッドの併用も考えていきます。
院長 菊池 卓
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静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。