子宮内膜症で体外受精が成功しなかった方へ ~ジエノゲスト前治療~

 

子宮内膜症は体外受精が成功しない原因になります。

卵巣予備能の低下、受精卵の質の低下、着床障害を引き起こすからです。

 

治療方法としては

・手術

・薬物療法がありますが、

手術は正常な部分の卵巣もダメージを受けるため

体外受精前には勧められません。

 

今回ご紹介する論文は

体外受精前にジエノゲスト(以下DNGとします)の投与を行い成績が改善したという論文です。

 

 

ジエノゲスト(DNG)は黄体ホルモンの内服薬です。

 

 

対象:子宮内膜症があり、体外受精不成功の40歳以下の女性151名

・DNG2mg/dayを3ヶ月内服後に体外受精をした63名 DNG群

・何もせずに次の体外受精をした88名 対照群

 

アンタゴニスト法で採卵を行い、新鮮胚ないし凍結胚で移植。

結果です。評価項目が多いため、抜粋しています。

・累積臨床妊娠率 33.3% vs 18.2%

・24週以降の累積生産率 28.6% vs 14.8%

とDNG群が有意に成績が良かったです。

 

さらにDNG群では内膜症病変の最大径も有意に縮小していました。(-1.0±0.9cm)

 

また、4cm以上の大きい病変のみの解析では

症例数が少ないため有意差はでておりませんが

より成績が改善しておりました。

 

以下は私のコメントです。

DNGは元々子宮内膜症の生理痛に対して使われる薬です。

飲み薬なので簡単。

ピルよりも効果があります。

副作用として、茶褐色のおりものが続くがあるのですが、全くない方もおられます。

 

3ヶ月内服することによる時間のロスは痛いですが、

初回の体外受精がうまくいかなかった場合は検討する価値はあります。

いつでもご相談ください。

 

院長 菊池 卓