妊娠判定日のおめでとうについて

胚移植後の妊娠判定日に何を測定しているか

胚移植後7~10日後に血中のhCGを測定して、妊娠判定を行います。

 

hCGは着床後に胎盤になる部分から分泌するホルモンで、妊娠していなければ分泌されません。

市販の妊娠判定薬は尿中のhCGを測定しています。

通常のものが50以上、ファストタイプが25以上で+が出ます。

 

妊娠4週0日でhCGが100mIU/mLを超えると、その後の妊娠継続率が高いため、私は「おめでとうございます。しっかり妊娠していますよ。」と笑顔で話すようにしています。

しかし、Drによってはあまり感情を出さず、おめでとうという言葉は使わない方もいます。

 

 

私の研修医時代の話です。総合病院に勤務していました。

妊娠が判明した方に(妊娠5週程度 中絶希望なし)おめでとうと伝えると上司に怒られました。

「まだ、流産の可能性があるかもしれないだろう。軽々しくおめでとうと言うんじゃない」。

 

では、胎児心拍がしっかり確認でき、母子手帳が交付された時(妊娠10週頃)におめでとうと伝えると「早産になるかもしれないし、IUFD(子宮内胎児死亡)の可能性もあるかもしれないだろう。軽々しくおめでとうと言うんじゃない」。

怒られました。

 

では、分娩が終わり母児共に元気な時におめでとうと伝えると

「これから先天性心疾患がわかるかもしれない。・・・以下同文」。

 

分娩後の1ヶ月健診に伝えたらさすがに怒られませんでした。

しかし、1ヶ月健診は当番制であることが多く、主治医として担当した方の全てに会えるわけではありません。

当初は私が嫌われていただけかなとも思っていましたが、熱心に指導してくださり、食事にもよく連れてってくれたので、実際にそう思われていたのだと思います。

 

私も正直に言いますと「おめでとう」といわない方が楽です。

特に前回流産であった方に「おめでとう」という時は私もかなり頑張っています。

しかし、以前の記事に書きましたが悲しみによるストレスがさらなる流産を招いてしまう可能性が示唆されています。

 

いろんな苦労を乗り越え、良い妊娠判定が出ました。

この瞬間はぜひ喜んでほしいですし、その後の流産するかどうかに関わるのですから、ぜひ笑顔で過ごして欲しいです。

そのために、これからも私は勇気を振り絞って「おめでとう」と言います。

 

院長  菊池 卓

 

 

—–