フーナー(ヒューナー)テストは意味がないのか?
続きです。前回の記事は下記を参照下さい。
下記の論文は
フーナー不良の方の性交後に腹腔内を調べると
高い頻度で精子を認めるとする報告です。
フーナーで運動精子がゼロの患者8人の内6人に腹腔内に精子が認められました。
腹腔内にあるということは子宮と卵管を精子が通過しています。
フーナー不良=精子が子宮の中に入れないではありません。
フーナー不良と判定されたその月に自然妊娠された方もいますし
その月以降であればそれほど数え切れないほどいらっしゃいます。
もともとこの記事を書こうと思ったのは
フーナー不良という言葉に多くの患者様が傷ついているからです。
人間誰しも自分の検査結果が不良などと言われると傷つきます。
このフーナーに関しては
『精子(夫)と子宮頸管粘液(妻)』との相性が悪いという表現が使われることも多く
まるで夫婦の相性が悪いようにも聞こえてしまいます。
深田恭子さんが主演されたドラマ『隣の家族は青く見える』で
フーナー不良で妊娠した妻が夫に浮気を疑われるシーンが出てきますが
フーナーはそんな強い検査ではありません。
結果で誤解を招くことも多いため
当院ではフーナーテストは行っておりません。
精液検査及び抗精子抗体検査で
確実な診断を行います。
院長 菊池 卓

静岡県静岡市の不妊治療専門クリニック、菊池レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、特定不妊治療費助成事業指定医療機関。刺激周期を主体としたクリニックと自然周期を主体としたクリニックの2箇所に勤務経験あり。患者様のご希望と体質に応じた治療を行っていきます。